
「私、体が硬いからヨガは無理かも……」
ヨガ講師をしていると、体験レッスンにいらっしゃる方から本当によく聞く言葉です。かくいう私も、決して体が柔らかいタイプではありませんでした。エステティシャンとして働いていた頃は、立ちっぱなし・前かがみの姿勢が多く、肩や腰はガチガチ。子育て中は更にぎっくり腰やぎっくり肩、ヨガを始めた当初は、簡単そうに見えるポーズすら思うようにできませんでした。
でも今、講師としてたくさんの生徒さんを見てきて断言できるのは、体が硬いことと、ヨガができないことはイコールではない、ということです。
なぜ「体が硬い=ヨガができない」と思ってしまうのか
多くの人がイメージするヨガは、雑誌やSNSで見る「体が180度開脚している」「背中がぺったり床につく」といった、柔軟性の高いポーズです。
でも実際のヨガのクラスでは、そこまでの柔軟性を求められる場面はほとんどありません、というか100%ないです!!ヨガはもともと、ポーズの完成形を目指すものではなく、呼吸とともに自分の体と向き合う練習だからです。
気をつけたい、3つのポイント
1. 完成形を目指してしまう
インストラクターや写真の「お手本」と自分を比べてしまうこと。ポーズには必ず個人差があり、骨格や筋肉の柔軟性は人それぞれ違います。ほぼ毎日ヨガをやっている私でも、べったりつくのは難しく、無理をすると痛めてしまいます。
自分の体の今を知り、人と比べず今できるポーズを行いましょう♪
2. 呼吸が止まっている
ポーズを頑張ってとろうとするあまり、無意識に呼吸を止めています。呼吸が止まると筋肉は緊張し、余計に筋肉は硬くなりさらに痛める原因ともなってしまい、悪循環に陥ります。
呼吸が心地よくできるところでキープしてください♪
3. 勢いで深めてしまう
柔軟性がない分、勢いをつけて伸ばそうとする方がいますが、これは逆効果です。筋肉は急に伸ばされると防御反応で縮もうとするため、かえって伸びにくくなります。
ゆったりと呼吸と共に心地よく深めていきましょう♪
繰り返していくことで、気づけば深まっていることに嬉しくなることがあります。
一番大切なのは「呼吸ができるところでキープする」こと
体が硬いと思われている方に、私が講師として必ずお伝えしていることがあります。
それは、ポーズの深さではなく、呼吸が続けられる場所で止まることです。
どんなに見た目が完璧なポーズでも、呼吸が止まっていたりしたら、それは体にとって「頑張りすぎ」のサインです。逆に、傍から見て小さな動きに見えても、ゆったりと呼吸を続けられているなら、それは今の自分自身の体にとってちょうど良い、正しい深さだということです。
目安はシンプルです。
- 鼻からゆっくり吸って、ゆっくり吐ける
- 会話ができるくらいの余裕がある(実際に声を出す必要はありません)
- 歯を食いしばっていない、顔がこわばっていない
このどれかが崩れたら、それはもう「その日の自分にとって深すぎる」というサインです。少しポーズを緩めて、呼吸が戻る場所まで戻ってあげてください。
呼吸が止まらない深さで留まり続けることで、筋肉は少しずつ「ここまでなら大丈夫」と学習していきます。反対に、呼吸を止めて無理に伸ばそうとすると、筋肉は防御反応で余計に硬くなってしまう。柔軟性は、呼吸を味方につけた人から着実に伸びていきます。
体が硬くても無理なくできる工夫
ポーズは「変形」してOK
例えば前屈のポーズで手が床につかなくても、膝を軽く曲げたり、ブロックやクッションを使ったりしても全然構いません。呼吸をキープできる位置まで、遠慮なく調整してくださいね。
「今日の体の状態」に合わせる
同じ人でも、朝と夜、生理周期、前日の運動量や食べ物によっても体の硬さは変わります。「先週できたのに今日はできない」と落ち込む必要はありません。
変化する自分を感じながら、それに合わせてヨガを楽しんでほしいです♪
毎日3分からでも変わる
柔軟性は、才能ではなく積み重ねです。まとまった時間が取れなくても、お風呂上がりに3分だけ股関節や肩まわりを伸ばす習慣を続けるだけでも、数週間後には体の変化を感じられるようになります。
ヨガ講師として100人以上のみなさんの体を見守ってきた私から言えるのは、体は思っている以上に「積み重ねた事を覚えてくれ、答えてくれる力」を持っているということです。硬さを言い訳にしてヨガを諦めてしまうのは、本当にもったいないと感じます。
まとめ
- 体の硬さとヨガができるかどうかは別の話
- 一番大切なのは、ポーズの深さより「呼吸ができる場所でキープすること」
- 呼吸が止まったら、それは深すぎるサイン。周りを気にせず調整してOK
- 呼吸を味方につけて続ければ、体は少しずつ確実に変わっていく
もし今「体が硬いから」とヨガを敬遠している方がいたら、完璧なポーズを目指す必要はありません。間違えても全然ok。まずは「呼吸ができる場所で止まる」、これだけを意識してみてください。
きっと、想像していたよりも、心は静まり、体は軽く、呼吸そのものがあなたを支える感覚が訪れるはずです。


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